027 =====
休みのおかげか、生徒会室はガランとしていた。いや、それはまずいんじゃないんですかね。だって文化祭のこととか、夏休みでもやることはたくさんあるハズなのに。
「…今日は午後からなんだよ」
俺の心を読んだように会長が一言添える。
そのまま案内されたのはソファなどではなく、給湯室だった。これは、まさか。
「お茶、いれろと?」
「リュウに会わせてやるんだ、それくらい安いもんだろ」
「……何がいいんですか」
そう言われたら仕方ない。俺はここに、副会長に会いに来たのだから。
「じゃあ、コーヒー」と一言告げて出ていく会長にため息を溢しながら、俺はお湯を沸かし始めた。
高級な豆に驚かされ、コーヒーのもとをようやく見つけた俺は、四苦八苦しながらコーヒーをいれた。コーヒーにこんなに手こずるとは思いもしなかった。
一応副会長の分もと2ついれたのは正解だったようだ。生徒会室に戻ると、そこには当然のようにソファに座る副会長がいたのだから。
でも、会長は「今日は午後からだ」って言っていたのに。
「ほら、さっさとこっち来い。白りんご」
「は、はい!」
コーヒーを2人の前へと差し出し、ついに副会長との会話が始まった。
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