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「…って言うんだけど、どう思います?」
「リュウは冷たく見られがちだけど、んなことしねえよ。つか、なんで話題がそれなんだよ」


 久々に会長と学園内で会った。俺は先日のごたごたで持ち帰れなかった教科書類を取りにきたのだが、会長はどうやらサボりらしい。まあ、学園に来るだけマシだと思う。
 今は夏休みで校舎に人も少ないので、いつもよりは気軽に話せる。


「この前だって生徒会室に来たくせに一言も話さずに帰りやがるし」
「あの時はそれどころじゃなかったじゃないですか! ……あれ、リュウって誰ですか?」
「リュウはリュウだよ。つか話題戻すな」


 せっかくなので、副会長と接点のある会長に話を聞いてみた。どうやらリュウというのは副会長のことのようだ。推測するに、柳という名前からとっていると思われる。

 それはそうとして。やっぱり副会長が黒幕とはどうも考えづらい。球技大会で話した感じからしても、そんなことするような人には見えなかったんだよな。


「……白りんご」
「はい?」
「そんなに気になるなら、来るか?」
「え?」
「生徒会室」


 ニッと笑った先輩はいつにも増してカッコよかった。

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