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 後日、夏目先輩は風紀委員の1人だということを鷹人さんから聞いた。風紀委員は委員長と副委員長以外明らかにされていないため、影から守ることが可能らしい。今回のなんかが典型的な例だ。
 ついでに夏目先輩の家を教えてもらったのだが、確かに近所だった。春原家の裏にあたる家で、これまた豪勢な作りだった。

 そんなお家に今日は春原5人と俺は招待されていた。先日風紀委員の方で取り調べた親衛隊3人についてらしい。風紀室に呼ぶと目立つしこの方が楽だから、という夏目先輩の気遣いだ。


「単刀直入に言うと、黒幕は別にいる」
「え?」
「なんでだよ、親衛隊の制裁に黒幕も何もないだろ?」
「四男の考えは間違ってないよ、でも正しくもない……どうしてあの3人は、1度納得したことを今更掘り返してきたと思う?」


 実は納得出来ていなかったから、とかだろうか。でもなんだかしっくりこない。
 夏目先輩が言うように、黒幕がいるということだろうか。


「黒幕、知りたい?」
「え!? …もう分かってるんですか!?」
「あの3人は隠してるみたいだけど、オレの目は誤魔化せないぜ」


 ニッと笑う夏目先輩は軽そうだけどカッコよかった。うっかり目が離せなくなってしまうくらいには。


「……。で、誰なんだよ」
「そう焦るなよ深鶴、オマエの身近なヤツでもあるんだからさ」
「は?」
「生徒会の1人、副会長こと瀬野柳だよ」

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