024 =====
「どこから話そうか」
あっという間に保護された俺と杏先輩は、生徒会室にいた。そこには他に鷹人さんと会長、そしてさっきまで俺を襲っていた人がいて、計5人でソファに座っている。
副会長の親衛隊3人は、風紀委員に受け渡されたらしい。
「実は、偶然とも言えるんだけどね」
そう前置きをして話し始めた鷹人さんの話は、確かに偶然だった。
鷹人さんは大学の方でも役員をしていて、打ち合わせをするために高等部に来ていたらしい。
では、なぜ俺たちが襲われていることやその場所が分かったのか。その鍵を握るのが……
「オレは夏目。鷹人とは近所で幼馴染み、つか春原とは家族ぐるみの付き合いなんだよ」
その夏目先輩だった。
夏目先輩は偶然、制裁を決行しようとする親衛隊の話を聞いてしまったらしい。そこで真相を確かめようと「オレも一緒に楽しみたい」などと言って仲間になり、証拠を掴んだのちに鷹人さんに連絡……というわけだ。
「りんごくんも的場くんも、怖かっただろう?」
もう震えは止まっていたけど、今度は安心したせいか力が抜けてしまった。おまけに涙まで出てくるんだから困ったものだ。
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