005 =====

 俺を標的にしている親衛隊は、どれも球技大会で関わった人物のものであり、そのうち3つが生徒会だなんて。
 俺は転入生を恨んだ。恨んだところでどうしようもないのは分かっているが、そうせずにはいられなかったのだ。


「とりあえず、木崎様に何かあるかもしれないのは確かだもんね。仕方ないから、隊長さんたちと話してみる」
「! …ほ、本当ですか!?」
「ただし! もうこれ以上敵を増やさないでよ? 馬鹿でもそれくらいは出来るでしょ」
「…はい」


 杏先輩はなんだかんだで優しい。
 俺と新が親友だということも、この人が1番早く信じ認めてくれた。そのこともあって、俺は杏先輩を慕っている。口は悪いが言ってることは素直だし、何より優しいのが分かれば全然怖くないのだから。


「じゃあ、お願いします」
「……木崎様のこと、よろしくね」
「もちろんです」


 安心したように笑った先輩の顔は、花が咲いたように可愛らしかった。


「で、先輩は何て?」
「話してみるって。ありがとう新、おかげでなんとかなりそうだよ」
「いいって。でも、先輩から報告あるまでは注意しろよ?」
「分かってるよ」


 俺は、もう終わったとばかり思っていた。

 親衛隊から呼び出しの手紙をもらったのは、その次の日のことだった。

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