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「まったく、相変わらず注意力が足らないんだから」
杏先輩に会ってからの第一声はこれだった。
新はすぐに行動に移してくれたようで、その日のうちに連絡がきたのだ。そんなに早く会えると思っていなかった俺は、まだ相談内容の整理も心の準備も出来ていない。だから次の日の放課後ということになった。
「いつ制裁が始まるかも分からないのに一日遅らせてほしいなんてぬかすし、馬鹿としか言いようがないよ」
「…でも先輩、支離滅裂なこと言ったら怒るでしょ?」
「何分かりきったこと言ってんの」
会話から分かるように、杏先輩は言葉遣いは可愛らしいが毒舌だ。もちろん新相手ではこんな話し方はしない。話し方については新にはバレているらしいのだが、杏先輩曰く「好きな人の前では可愛らしくありたい」らしい。
「で、先輩。相談なんですけど」
「分かってるよ、親衛隊のことでしょ? こっちでも木崎様に影響があるかもって調べてはみたけど、なんなのこの数。お前本当に馬鹿だったんだね」
返す言葉もありません。
鷹人さんたちに説明されて把握しているのは、全部で4つ。青葉、東雲、双子、そして深鶴先輩のところである。
しかし、杏先輩が調べたうち怪しいところがさらにもう1つあるらしい。それが副会長の親衛隊だというのだ。
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