015 =====

 結局その日は青葉と榊原先生とお昼を共にした。榊原先生はただ苦笑して「だから『気をつけろ』って言ったのに」とため息をついていたけど。
 青葉は榊原先生と会うのは初めてらしく、にこやかに話をしていた。そこだけ見ると、青葉も普通の高校生なんだなと思った。


「りんごさ、最近青葉と仲いいよな」


 堪えかねたように鶲が尋ねてきたのは、青葉と話すようになって数日後のことだった。

 確かに、周りから見たらそう見えるのだろう。俺はあの約束のおかげで断れないし、青葉は転入生の好感度を上げたいしで、気づけば毎日お昼を一緒に過ごしているから。


「青葉って人気がある生徒だろ?それなのにあんなにおおっぴらに仲良くしてて大丈夫なのかよ」


 そう言う鶲はすごく不機嫌そうだ。

 実は昨日、同じことを新にも言われた。ただし、質問の裏に隠れた本音は違うハズだ。新は心配そうにしているのが見え見えだったから。
 一方鶲が言いたいのは「オレは我慢してるのにアイツはいいのかよ」という、いわゆるヤキモチだ。

 俺はそれを分かったうえで、鶲に食器を拭く布巾を渡した。
 今は何も聞かないでほしい。その真意を察してくれたのか、鶲はすごく悔しそうにしながらも黙って手伝ってくれた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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