013 =====

 結局、球技大会は何事もなく終えた。新たちのグループは準々決勝敗退、転入生のところは生徒会の働きで1位に輝きかけたが、転入生がそれに反発したので結局2位ということだった。

 ちなみに気になる青葉だが、球技大会中は目立ちすぎるからと一言断りを入れて距離をおかせてもらった。青葉もそこまで馬鹿じゃないからあっさり頷いてくれたし。おかげで安全な1日を過ごせたからよかったけど。

 そんな次の日のことだった。


「ごめん、今日は一緒に食べれないんだ」


 これが転入生が新を誘いに来た時の青葉のセリフだった。俺がまだ移動する準備が出来ておらず「逃げ遅れた!」と焦っている時のことだったから、余計にはっきりと覚えている。
 そしてあろうことか、青葉は俺の方にやってくると爽やかな笑みを向けて告げたのだ。


「今日は、りんごと交遊を深めようと思って」










「…なんであんなこと言ったんだよ!」


 俺は怒っていた。そりゃ、突然人気のある青葉が俺に接近なんてしたら騒がれるに決まってる。それなのにこいつときたら、気にした様子もなくここまで俺の腕を引いてきたのだ。
 ここというのは美術室のことだったりする。おそらく調べたのだろうが、なんとも言えない気分だった。

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