012 =====
青葉と別れグラウンドの方に戻ると、新がすぐに気づいてくれた。手を振ってくれた新に近づけば、少し拗ねたような表情を向けてくる。
「どこ行ってたんだよ、試合終わっちゃったぜ?」
「ごめんごめん、休んでたら来るの遅れちゃってさー」
「しっかりしろよなー」
新とは、次の試合をちゃんと応援することを約束させられた。
まぁ、新の珍しい一面も見れたしいいけど。
「…何もなかったか?」
「え、何が?」
「いや、なかったならいいんだ」
突然雰囲気が変わった新の言葉に、正直びっくりした。本当は分かっているのではないだろうか、そう思えて仕方ない。
実際はあのあと、俺は青葉と1つ約束をしたのだ。それは、転入生との仲を取り持つこと。
青葉はクラスこそ一緒だが、最近ライバルが増えてきて焦っているらしい。最初は東雲だけだったのに、転入生は青葉の気持ちなど知らずに好き勝手動き回って信者を増やしているからな。それはとても納得出来た。
まぁ、俺は別に転入生と青葉が仲良くなろうと関係ないので快く引き受けたのだが。あれをバラされるよりかは断然いい。
承諾したあとに青葉に「いつでもバラすことが出来ることを忘れるなよ」と念を押されたけどな。
≪≪≪|戻る|≫≫≫