011 =====

 俺はまず平然を装った。ここで動揺しては本当だと言ってるも同然だ。そうしてから考えた。なんとか俺の平穏を守れて、なおかつ不自然ではない切り返し方を。


「自分で言うのもなんだけど、俺があの人たちと同居? とかって不自然すぎない?」
「まぁ、それはオレも思うけど…」
「第一、春原家に何のメリットもないだろ」


 自分で言ってて悲しすぎた。
 でも、事実は事実。

 俺はこの秘密を守るために嘘をついた。この秘密がバレて目立つのが嫌だった。呼び出しくらうのも嫌だった。何より、春原家に迷惑をかけるのが嫌だった。


「つかさ、それを暴いてどうする気なわけ?」


 1番気になっていたのは、そこだった。
 おそらく青葉は転入生と仲良くしている俺が邪魔なんだろう。それは分かる。しかし、転入生と仲良くしている中には春原も数人いるのだ。それも排除したいのなら、この秘密を使って何か言ってくるかもしれない。


「オレは、バラすつもりはまったくないぜ?」
「え?」
「だってバラしたら脅せなくなるだろ?」


 すごく爽やかな笑顔で青葉は言い放った。一瞬見直しかけた俺の感動を返せ!

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