「尽八くーん」

「ん?なんだ、ぷぎか?」

「そぉですぷぎちゃんです」

「どうしたんだお前…。今日は異様にテンションが高いな」

「そういう尽八くんはいつにも増してテンション下がってますな」

「聞いてくれるかぷぎ」

「ううん」

「今日3限に体育があっただろう?」

「うわ、フツーに無視された」

「男子はサッカーだったのでな、俺の活躍を覗き見している女子たちに見せてやろうと思って意気込んでいたのに、だっ!」

「うわぁびっくりした」

「パスされたボールを……スカッてしまってな……」

「……へぇ」

「どうすればいいんだあんな情けない姿を見せてしまって。俺はもうこの世界で生きてゆけない」

「大袈裟すぎでしょ。たかがスカッたくらいで…。女子たちも気づいてないよたぶん」

「……まぁ確かに、スカッた後俺の天才的足技でフェイントのように見せてやった。しかしな……」

「(まだあるのか…)」

「シュートしたボールがポールに当たって跳ね返ってきたんだ…しかもそれが俺の顔面にヒットしてしまったんだよ!!」

「平気だよそれくらい。言う割に鼻血出た様子もないし、………ダサいだなんて思わなかったよ」

「む、なんだその間は…!完全にダサいと思ったろう今!」

「うん」

「…まぁ、顔面に当たったことを悟られないようにヘディングしたと見せかけてそのままゴールに運んだがな…」

「誤魔化すのうまいな…」

「しかし誰かしらにはバレているはずだ…!この俺の失態を!どうしようぷぎ…。ちょっと地球を滅亡させてきてくれないか」

「いやいや、『ちょっとジュース買ってきてよ』みたいなノリでそんな超人的なことできません」

「はぁあ……!まさかこの俺がサッカーできないとは思わなかったのだよ…!」

「あ、自覚あったんだ」

「どうする…どうするどうする……」

「…もー……いつまでウジウジしてんのさぁっ!学校中の女子から好かれなくなっても、最後には私がいるんだから文句ないでしょ!?」

「……………ぷぎ、……………………その、とても嬉しいのだが、そういうのは男の俺が言うべき台詞であってな…」

「アンタがいつまでたっても言ってこないからでしょーが」

「……いや、負けたよ…。今のお前は完全に俺よりも素敵だった」

「す、素敵とかばかじゃないの」

「……ここで照れるのか」




(で、返事は)
(もちろんYesだ。本番は俺が言うからな)
(どーせまたウジウジするんでしょ)
(むっ!?失敬な!)







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