「なー、なーってば」
「なに。うるさいんだけど」
「……悪かったって」
「もういいって言ったじゃん」
「でもまだ怒ってんじゃん」
「怒ってないよしつこいな」
「怒ってんだろ。だから謝るって。もうしねぇから」
「そういうことじゃないの。別にもう赤也のことは許してる。ただちょっとイライラしてんの」
「…んだよそれ…。どうしたら機嫌直んだよ」
「だからほっといてよ」
「ほっとけねーって、お前後で泣くだろ」
「泣かねーよ!こんなちっさいことで」
「あ〜?お前いつも友達と喧嘩した!って泣きにくんじゃねーか」
「それはそれ!これはこれ!もう帰るよ!」
「あっ、おい待てよ!ほんと訳わかんねーなお前は…」
「すいませんね」
「別に。お前今日おばさんとおじさん帰り遅いだろ。俺んちいていいぞ」
「いいよ別に。子供じゃないんだし」
「…あっそー!今日はお前の好きなしょうが焼きって言ってたし新作のゲームやろうと思ってたんだけどなー!」
「いくよしょうがないな」
「素直んなれよめんどくせーな」
「じゃあほっとけばいいじゃん」
「またそれか…。ほっとくわけねーだろバカ」
「なんで」
「そん…それは……」
「赤也に頼って生きていこうなんて思ってないから、面倒ならほっといてくれていいんだよ」
「…別に…俺が好きでやってるんだけど?」
「…あっそ。変な趣味だね」
「んだと!?ほんとかわいくねーなお前は!」
「別に可愛くなりたいなんて思ってないもん!」
「ああそうだよな、お前みたいなの俺しか相手できないもんな!」
「…はあぁ!?なにそれバカじゃないの」
「ほんとのことだろ!お前には俺しかいねーだろーが!」
「何が!?私友だちいっぱいいるもん!」
「そうじゃねーっつの!…ったくお前はほんとめんどくせーな!好きって言ってんの!!」
「……はあ?」
「だっさ!!だっさ俺だっさ!!!バーカ!!1人で帰れ!!」
「は…はあぁぁあ!!?ちょっと待…待ってよ赤也ーー!!」
(バカ!激鈍!だっせーー俺!!)
(バカはそっちじゃんバカー!私だって好きなのにー!!)
(は……はあああぁぁあぁ!!?)
ーーー
幼馴染み赤也が友だちの前で秘密暴露したとかそんなん。厨房ってこんなん?
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