4 その後は散らばったガラスを片付けて、帰りに職員室に寄って2人でたっぷりと元担任の教師に絞られた。今度資料室の掃除を手伝う約束をして何とか許して貰えたが、あんなに怒る先生を初めて見たので、肝が冷えた。 喧嘩になって保留となっていた元のアパートに帰る件については、当分の間はまた田沼の部屋に世話になることになった。 「オレが良太のこと好きだってこと忘れないでね。無防備な格好とか禁止だから!」 なんて、田沼には釘を刺された。 森には、田沼が見つかったこととビー玉を無くしたことを話した。 「……そうか。ビー玉のことは気にするな。せいぜい気を付けろよ」 何か言いたそうな不満そう顔をしていたが、それ以上は何も言わなかった。まぁ、田沼と仲が悪いからだろう。そして相変わらず、何に対しての気を付けろなのかは教えてはくれないらしかった。 あの男が消えて以来、俺は変なものを見なくなった。結局あれがなんだったのかは判らなかったが、俺が変なものを見るようになったのをあれを見てからだったから、あれが元凶だったのだろう。多分。 これで、終わったのだ。 [戻る] [しおりを挟む] |