6 外は薄暗くなっている。 俺達は何も話すことなく、泊まるための準備をして俺のアパートに帰った。 部屋に入るとようやくホッと息を吐くことが出来た。 「腹、減らない?」 安心したらなんだか腹が減ってきて、俺は柏木に聞く。 「えっ……ああ。減ったかも」 呆けていたのか、一瞬キョトンとしたがすぐに笑顔で頷いた。 「じゃあ、ちょっと簡単なもの作るから座ってて」 「いや、おれも手伝うよ」 台所に立つと隣に柏木がつ。 「ありがと」 2人であーだこーだ言いながらサンドイッチを作った。 サンドイッチ作りに器用も不器用もないかもしれないが、柏木は器用だった。しかも丁寧だから、俺が作ったサンドイッチとは、見た目が全然違う。 2人でそのサンドイッチを食って、テレビ見てのんびりしてその日を過ごした。 それから1週間、ストーカーからの音沙汰はなかった。 手紙もないし、メールも来ない。俺の部屋の扉が、ノックされることもなかった。 もうストーカー行為を諦めたのか、まだ判らないから俺の部屋で寝泊まりしている。 柏木も最初は寝てもすぐに魘されて起きていたが、最近はその頻度が減った。まだまだ隈は酷いけど、以前よりは身体の調子はいいみたいだ。 でも――なんだか、嵐の前の静けさのようで、気味が悪い。そんなこと、柏木には言えないけれど。 [戻る] [しおりを挟む] |