Foodシリーズ | ナノ

ミートパイ


 人身売買・薬物・殺人などの犯罪が横行する無法地帯となっている郊外。郊外と都市を区切るように、境界線である40mほどの壁が都市を守るようにそして隠すように、囲われている。都市の中心には大きなタワーが聳え立っている。
 タワーを中心にして、金や権力、地位が高いものほど、中央に住んでいる。逆に低所得者は壁の外である郊外に住んでいた。郊外では警察が機能していない。そのため無法地帯と化しているのだ。
 一方壁の中は、街は整備され、警備もしっかりされている。

 そしてタワーでは、個々にSPなどが付き、更に安全と安心を約束されているのだ。
 そのタワーには、選ばれた人間だけが住める。要人やセレブだけが住めるのだ。選ばれた人間達はタワーの下の街を見下ろしは憐れみ、壁の外の下々のモノを蔑んでいるのだ。
 タワーの人間はその下々のもの達を奴隷として飼っていることが一種ステータスだ。

 とあるペットショップ――奴隷屋の奥に、それは居た。
 檻の中で、手足を拘束されて唸っていたそれを私――カールハインツ・グイード・ギーレン――は、買った。店主が「それは売り物ではない、他の奴隷のほうがいい」と言うのを大金を積んで黙らせた。
 それは所謂ゾンビらしい。戦時中に、バイオ兵器として作られたが、結局そいつを使うことなく終戦を迎えた。処理に困った政府の人間が、この奴隷屋に金で無理矢理押し付けて行ったらしい。
 政府の人間は「殺処分を命じられたが、愛着がわいてしまって殺せない。迎えに来るからそれまで預かってほしい」と言っていたと店主は笑っていた。結局迎えに来ていないことを考えると嘘だったのだろう。
 それを買い取った私は、それにフェイと名付け、空調和設備の整った部屋で飼っている。生きているとはいえ、死体であるフェイは管理が難しい。腐敗の進行が止まらず、きっと遠からず朽ち果てる。
 饐えた臭いのするフェイの部屋に入った途端、フェイが一際大きな呻き声を上げた。拘束された四肢を動かす度に、ギシギシとベッドが悲鳴を上げる。
 そのベッドの端へ腰を下ろして、フェイを見つめる。
「いい子にしてたか」
 口輪に触れると口がパクパクと動く。そのまま頬へと指を滑らせ、頭まで上って髪を整えるように撫でた。指に、髪の毛が絡みつき抜ける。
 その髪を床に落とし、フェイの着ているTシャツを捲り上げる。変色した肌を撫でれば、ビクリと身体が跳ねた。
 フェイが涎を垂らして、俺を見上げてくる。何か呻いているが、何を言っているのかはわからない。
 肌を滑り、腰の辺りまでくるとゆっくりとハーフパンツを下へと下ろしていく。半裸になったフェイを見下ろし、頬を撫でた。
 私の指を噛もうと懸命に口をパクパクさせているが、口輪が邪魔して噛み付けない。その姿が滑稽で、とても愛おしい。馬鹿な子ほどかわいいというやつか。
 頬から下半身にまた指を戻し、尻を撫でる。割れ目に指を滑らせ、肛門まで滑ると穴の周りをそっと押した。焦らすように何度も押し、サイドテーブルに置いてあるローションを取る。それを見たフェイの目の色が変わった。
 ローションを指と穴へと垂らし、ゆっくりと穴に指を入れる。
「あっ……あ」
 さっきまで呻いていたフェイの声色が変わった。四肢を拘束されていて動きにくいだろうに、必死に腰を揺らし、快感を貪ろうとしている。
 中を拡げるように2本の指を動かした。死体であるフェイのそれは緩い。
 そろそろいいだろうと2本の指を抜いた。ベルトを外し、スラックスの前を寛げる。下着から少し勃ち上がったペニスを取り出し、肛門へと押し当てた。
「あう……あっ」
 トロンとした目で、フェイは俺を見上げる。物欲しそうな目に、思わず舌舐めずりする。
 ゆっくりと挿入していくとフェイの口から引っ切り無しに声を上がった。
 涎を垂らし、獣のように声を上げる姿は、まさにペットだ。口輪の隙間から指を入れると指を舐め始める。
 腸の中も口の中も生きた人間とは違い、冷たい。動いているのに、こいつは死んでいるのだと改めて思い知らされた。それが、何とも形容しがたいほど興奮する。
 激しく突き上げれば、壊れたように声を上げ、フェイの身体が痙攣した。ビクビクと震え、四肢を拘束されたまま背を反らす。
「ああ、あ、あ、あ、ああああああ」
 口を大きく開け、一際震えると脱力してベッドへと沈んだ。フェイは目を瞑り、息を整えるように肩で息をしている。
「まだ、私はイッてないんだけどね」
 言ってまた腰を動かせば、嬉しそうに声を上げた。
2014.11.04

[ 2/4 ]

[*prev] [next#]
[戻る]
[しおりを挟む]
以下広告↓
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -