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ネットワーク

 TLを眺めていると、フォロワー数が増えていることに気付いく。通知は来てなかったはずだ。
 まぁそんなこともあるか、とビールを仰いだ。
 ビールの缶に口を付けたまま、どんな奴がフォローしたのか、ホームを見に行く。自己紹介を見ると気が合いそうだった。早速フォローを返し、またTLを眺める。
 ビール片手につまみ摘んで、TL眺めて気になった呟きに反応していると自分宛てにリプが来た。どうやら、先程フォローを返した人らしい。
「初めまして、フォロバありがとうございます! これからよろしくお願いします!」
 これに、「こちらこそ、よろしくお願いします!」と返し、スマフォをホーム画面に戻した。
 その日から3ヶ月。不思議なことが起きるようになった。
 多分、そう、たぶん偶然だ。俺の「○○なう。」なんて呟きのあとに、同じ様に、呟く人がいる。それを冗談めかして呟くと、仲のいいフォロワーさんに、「お前ら付き合ってんの?」なんてからかわれた。
 それから更に3ヶ月経った。いい加減偶然とはいえない気がしてきている。正直気持ち悪い。
 居場所を呟かなくても、同じ場所にいるらしかった。
 堪えられなくなって、ブロックする。
 ブロックした次の日から、迷惑メールが来るようになった。内容があまりにも気持ち悪かったからアドレスを変える。
 アドレスを変えても、迷惑メールが来た。気持ち悪い。友人に相談すると、根気よくアドレス受信拒否してみたらとアドバイスされた。
 迷惑メールを拒否する度に、内容がエスカレートしていく。最新のメールには、メリーさんよろしく、どんどん俺の住むアパートに、近付いて来ている。
 また、メールを受信した瞬間、インターホンが鳴った。
 心臓が耳元にあるようにさわがしい。
 息を潜めていると、軽快な音楽が鳴った。びくりと肩が揺れる。電話の音だ。液晶画面に、友人の名前が表示されている。震える指でタッチし、電話に出た。
「お前家に居るだろ。開けてよ」
 何だ。タイミング良すぎだろ。ホッとして扉を開く。
 友人を招き入れると、またメールを受信した。
「お前家なう」
2013.03.07 即興小説トレーニングUP
お題:肌寒いネット
2013.05.19 加筆修正サイトUP


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