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双子とにゃんにゃんにゃんしたかった


 人身売買・薬物・殺人などの犯罪が横行する無法地帯となっている街。その街の中央に聳え立つ大きなタワー。
 そのタワーには、金持ち達が暮らしている。タワーから街を見下ろし、憐れんでいるのだ。
 格差社会の象徴だと街の人々は噂する。
 そのタワーの地下では、街から連れてこられた人間が奴隷や人体実験用の人間が売られている。
 奴隷は金持ちのステータス。
 ボクはその金持ちの1人だ。
 先日買った双子の奴隷が、キッチンでイチャイチャしているのをソファーで眺める。
 嗚呼なんて絶景!
 わざわざ奴隷屋に好みの人間を連れてくるように、大金チラつかせて正解だった。
 年齢のいった小汚ないおっさん――そう注文して、届いたのがこの2人だ。
「ディナーは出来たかい?」
 イチャイチャする2人の間に入り、腰を抱く。両手に花だ。
 即腰に回した手を叩き落とされ、睨まれる。先程までと違う、ピリリと肌を刺すような空気に、思わず口許が緩んだ。ゾクゾクする。
「今日は何の日か知ってる?」
 2人の目を見詰めたまま、ポケットに手を入れた。
 2人が警戒するように、敵に敗けぬように、ボクの目をじっと見ている。
 思わずため息が出た。
「にゃんにゃんにゃんの日でしたー」
 ポケットから猫耳カチューシャを出し、自身の頭に着ける。
「にゃんにゃんって、ね?」
 猫の真似をするように、軽く握った手を頭の横に持ち上げて交互に上下に動かした。
 2人はそれを笑うことすらなく、睨んでいる。完全に失笑だ。
「おなかすいたにゃー」
 言って、擦り寄ると手前にいた子に払われる。
「触るな、変態」
「きしょくわるい」
 2人に軽蔑の眼差しを向けられ、背筋が震える。
2013.02.22
双子でにゃんにゃんにゃんの日記念(H25.02.22)


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