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ぼくらの黄色い夏


世間では、男女の間に友情なんて無いっていう人もいるけど、私は間違っていると思う。いや。少なくとも私達3人には、恋愛感情なんてものはない。すぐに、恋愛に持っていかれるのは、心外だ。私達の関係はそんな安っぽいもんじゃない(いや、恋愛を安っぽいって言ってるんじゃなくて……)。
昼休み。私達はいつも通り、屋上にいた。夏の日射しはキツいから、給水塔の影座る。ここは風の通り道なのか、よく風がくる。
3人共通でアーティストの新曲を、音楽プレイヤーで聴いていた。
「お前ら。いい加減、俺にも聴かせろよ」
私とちぃ(智里)がイヤホンを片耳ずつで聴いていると痺れを切らしたのか、ケン(謙也)が顔をしかめる。
「……りんご、貸してやれ」
「はぁ?ちぃが貸せばいいじゃん!」
喧嘩を始める私達から、ケンは音楽プレイヤーを取り上げた。
「喧嘩両成敗。俺が聴く」
両耳にイヤホンを付ける。
「謙也、てめぇ!それオレの音楽プレイヤーだぞ」
音楽プレイヤー争奪戦に私も交ざる。音楽プレイヤーはモテモテだ。
じゃれ合っているいる内に、黄色いそれが飛んだ。それが、誰かの足元に落ちる。
「おい、3バカども。屋上は出入り禁止じゃなかったか?あ?」
担任だった。ちぃの音楽プレイヤーを人質(物質?)に、私達は放課後残され説教諸々を受けた。
屋上の鍵が開けやすいのが悪い!
2009.12.28


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