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頭の中は、君一色


 漸く帰ってきた同棲している恋人は、風呂から出るなり、髪を乾かす事もせずにベッドに身体を沈めた。
「眞鍋さん、髪乾かさないと」
 言って首筋を触れるか触れないか、の感覚で撫でる。官能的な動きに、眞鍋さんはピクリと肩を揺らした。
 今、俺の頭を占めているのは、眞鍋さんを抱きたいってことだ。髪を乾かしてない、とか本当はどうでもいい。
「眞鍋さん」
 欲情しているからか、掠れた声が出た。
 それに気づいたのか、眞鍋さんはヤダと呟く。
「もう一ヶ月以上ヤってないんだよ。溜まってンだけど」
 俺に背を向けている眞鍋さんを抱き寄せ、腰を押し付ける。
「仕事で疲れてるんだ」
 振り返るのも面倒なのか、肘で俺の身体を押し返した。それを腕を掴んで止める。
「じゃ、じゃあさ、せめて手で」
 掴んだままの腕を自分の方へと引き寄せるが、手を振り払われる。
 もう腹立った。
 肩を掴んでこちらを向かせる。
「しゃぶれよ」
 スウェットを下げて、窮屈そうにしていた息子を出した。
 眞鍋さんは少しだけ目を開き、顔を顰めて首を横に振る。
「ほら、早くしゃぶれって」
 眞鍋さんの唇に押し付けるとピクリと片眉が上がる。
 息子をいきなり掴まれ、俺は間抜けな声を上げた。
「いい加減にしろよ、クソガキ。そんなに盛るんだったら、去勢するか? タマ切り落とすぞ」
 サオからタマに手を移し、ベッドサイドテーブルに置いてあった鋏を掴んで俺に向ける。
 目が、据わってる。
「ちょっ……待って! ごめんなさい」
 眞鍋さんは鋏を開いたり閉じたりを繰り返している。
 俺はすぐに頭を下げた。
「調子に乗りました。ごめんなさい」
 眞鍋さんは溜め息を吐いて手を離し、鋏を置く。
 気まずくなって俯く。まだ元気なソレが目に入って、俺は立ち上がった。
「その、トイレ行ってきます」
「峰村」
 ベッドルームから出ようと背を向けると、呼ばれて振り返った。
 手招きされて近付く。
 眞鍋さんは頬に触れるだけのキスをし、おやすみとだけ呟いて目を瞑った。
 なにそれ、かわいい。
「おやすみなさい」
 また元気になったソレを処理するために、ベッドルームを出た。
2011.08.28
Aコース


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