2 次の日、仕事から帰るとまた新聞受に薄いブルーの封筒が入っていた。 また写真と便箋が入っている。便箋には"プレゼントは気に入っていただけましたか"と書かれていた。その文字が、妙に楽しそうで、それをビリビリに破って捨てた。 うるさい、うるさい、うるさい。余計な御世話なのよ。関係ないじゃない。きっと、レズだからって馬鹿にしてるんだ。 写真は見ずに破って捨てた。 ベランダに出て、息を吐く。夕陽が眩しい。もう一度息を吐いて、部屋に戻った。 今日の夕飯は昨日の残りのビーフシチューだ。 きっと、今日は食べてくれる。 リビングのソファーに座って、テレビを点けた。夕方のニュースを見詰め、加奈子の帰りを待つ。 その日は結局帰ってこなかった。電話もメールもしたけど、返事はなかった。 一睡もせずに仕事に向かう。 その日の仕事は散々だった。でもきっと今日は帰ってきて、ビーフシチューを一緒に食べるから、大丈夫。明日には元通り。 郵便受を見るとあの封筒があった。中は見ずに鞄に放って、部屋に帰る。 加奈子は帰ってるかな。ドアノブを捻ると開いた。よかった。帰ってる。 [目次] [しおりを挟む] |