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「はぁ・・・」

どうやら今日はついてない。
彼の講義は、無かったか午前だったようだ。

「よぉ、佐助じゃねぇか」

「チカちゃん・・・」

声をかけてきたのは、同じ大学の理工学部の(一応)先輩である、長曾我部 元親。

「元気ねぇな〜」

「今日はついてないらしくて・・・」

「はぁ?」

俺は今、絶賛落ち込み中。
会えなかった・・・。
彼に。

「会えなかったんだよ・・・」

「会えなかった?お前、好きな奴いるのか?」

「うん・・・男だけどね・・・」

「ふ〜・・・はぁっ!?」

だよね〜。
そうなるよね〜・・・。

「・・・佐助、お前この間まで女と付き合ってたじゃねぇか」

「うん・・・それはあっちから告ってきたから」

「じゃあお前は、実はゲイだったり・・・」

「ゲイじゃないよ?バイだけど」

男でも女でも・・・俺様好みならOKですが?

「で、今回は男だと」

「そ・・・めっちゃ綺麗な子なんだよね〜」

「此処の大学なのか?」

「うん。英文科」

その時、チカちゃんの表情が少し驚いた感じになった。

「チカちゃん、知ってるの?」

「何となく・・・心当たりはある」

「右目に眼帯してる子だよ?」

「・・・やっぱり」

チカちゃんは、知り合いなのかな?
なんか、知ってるっぽい・・・。

「多分それ・・・伊達じゃねぇかな」

「伊達・・・?」

「おう。お前と同じ学年で、英文科のトップ」

伊達・・・。
伊達・・・なんて言うんだろう?

「下の名前は?」

「・・・確か・・・政宗・・・だったか?」

政宗・・・。
伊達 政宗・・・。

今日、俺は君の名前を知りました。


偶然訪れた、奇跡





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