02








冬の外は寒い。
凄く、寒い。

大学までの道を歩きながら、俺はポケットの中で両手を握り締めた。
雪こそ無いものの、寒さは酷い。
寒いのが嫌いな俺にとっては、結構きついものがある。
まぁ、元々が雪国育ちだから、こっちの寒さはまだましだけど。

「今日はあいつ・・・講義無ぇのかな・・・」

つい探すのは、派手な頭した同級生。
彼女がいるようで、女と二人で登校してるのをよく見かけた。
でも、今日はいない。
なんだか寂しい。

「って・・・何考えてんだよ、俺・・・」

名前も知らない。
知ってるのは、同じ大学の同級生、という事だけ。
何処の科なのかも知らない。
そんな奴を気にするなんて、どうかしてる。

「とにかく、今はtestの事考えねぇと・・・」

もうすぐ大切なテストがある。
落とすわけにはいかない。
そう自分に言い聞かせて、俺は足を速めた。



俺の密かな楽しみ





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