雑誌を棚に戻して、一緒に店内を見てまわり、結局二人してサンドイッチ二つとコーヒーを買った。
俺は、それじゃあ足りないかもと言ってもう一つパンを追加したが、政宗は買わなかった。
「ありがとうございましたー」
店員さんの声に送られて、俺達二人は一緒に店を出た。
俺も政宗も話すことなく、キャンパスの中央を走る道路を歩いた。
時々ちらり、と政宗を盗み見る。
(やっぱ綺麗だなー……)
通った鼻筋、シャープな輪郭。
肌は透き通るように真っ白で、目は切れ長。
均整が取れた、美しいとしか言いようのない顔立ち。
完璧で、悪い所など見当たらない。
これで頭もいいらしいんだから、相当モテるだろう。
男なんて、ねぇ……。
「佐助?」
「はいぃっ?!」
「……なんだよ」
「い、いや、あの…」
「ジロジロ見てるから、気になるんだよ。なんか付いてるか?」
「そんなんじゃないよ」
「じゃあ、なんなんだよ」
「……なんでもない」
言えるわけないでしょ。
その横顔が、昔父さんに連れていってもらった教会の。
聖堂のステンドグラスにいた天使に似ていると思った、だなんて。
「へへっ」
「…???変な奴」
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