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「隣、いいか?」

聞かれて振り返れば、気の強そうな(実際強い)眼がこっちを見てる。
今日もいつもと変わらず、身体のラインが強調される服着てんな〜、なんて思いながら軽くOKした。

「…何か、いい事でもあったか?」
「?何でだ?」
「お前がそんなに機嫌がいい日は、何かあった日だろう?昔から、な」

うっすらとさやかが笑う。


幼馴染…なのだろうか?
さやかとは、気付けば何時も一緒だった。
俺は引っ込み思案だったし、さやかは昔から強かったし。
護るよりも護られる事の方が多かった。
小学校の時も、なかなかクラスに馴染めない俺を、いつもクラスの輪の中に引っ張り込んでくれていた。
それだけ近くにいた。
気付いて当然、か。


「まぁ、な」
「何があった?」
「…It's a secret」
「ふん…いい相手でも見つけたか?」
「……」


鋭い。
何でこんなに鋭いんだよ、コイツは。

黙り込んでしまった俺を見て、さやかはまた笑った。


「お前が人を好きになるなんてな…。…頑張れ」


ポン、と優しく頭を叩く手が優しくて。
嬉しかった。







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