「n・・・」
朝目が覚めると、佐助は俺の寝てたベッドに突っ伏したまま眠ってた。
ソレを見た途端、心臓が大きく鳴りだして、顔が熱くなるのがわかった。
すーすーと寝息を立てる佐助の髪を、撫でた。
「・・・自毛・・・なのか」
染めた髪とは明らかに違う指通り。
フワフワしてて、ずっと触っていたいくらいに気持ちよかった。
しばらく佐助の髪を弄った後、俺は布団から出て代わりに佐助をベッドに引き上げた。
細いのに、意外としっかりした身体。
自分の貧弱さに涙が出そうになる。
だけど佐助の寝顔を見たら、そんなことどうでもよくなって。
タオルケットと布団をかけてやった後、頬に触れるだけのkissをした事は内緒だ。
「good night」
ゆっくり、おやすみ。
一秒でも長く、お前と一緒にいたいから。
だから、ゆっくり。
そんなガラにもない事を考えたら、また顔が熱くなった。
「飯、作んねぇと。き、昨日、迷惑掛けたし・・・」
誰も聞いちゃいないのに、勝手に自分で口実を作って、俺はキッチンに入った。
普段は食べない朝食。
朝はあまり食欲がないから、時間があってもコーヒーだけ飲んで・・・とかってのが多い。
だけどそんな朝食も、好きな奴と少しでも長くいられる口実になるだろう?
だから。
全ては、計算。
好きな奴とどれだけ長くいられるかっていう、簡単そうで難しい、計算。
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