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いつの間にか眠っていたようで、気付いたら朝だった。
暖かい、フワフワのベッドから見える天井は・・・あれ?
なんで・・・俺・・・

「good morning」
「・・・お、おはよう」

どうやら彼は先に起きていたようで。
仕切りの向こうから、おいしそうな匂いがしてた。

「あ、あの・・・昨日は、悪かった」

迷惑かけて、と小さな声で政宗は続けた。
きっと、飲み過ぎたことだと思う。

「全然、迷惑じゃないよ。それより、二日酔いとかなってない?大丈夫?」
「ん・・・それは、大丈夫だ」

確かに顔色も悪くないし、大丈夫そうだ。
よかった。

「あの、よ、朝飯、作ったから・・・良かったら食ってかねぇか?」
「じゃ、お言葉に甘えて」

朝ごはんは、普段あんまり食べない。
講義のある日はギリギリだし、無い日も寝れる時間まで寝て、すぐバイト。
寝起きはあんまり食欲がない、っていうのが、1番の理由。
食べなくても生きていけるし。
それに、食費が若干浮くし。

だけど、好きな人が作ってくれたなら、話は別。
途端に食欲が湧く。
多分、湧かなくても食べるだろう。
だって、好きな人が自分の為に作ってくれたんだから。
食べなきゃ損でしょ?

今までの彼女も、作ってくれた。
マズイなんてことは無かったし、そこそこ料理は上手かった。
だけど、朝ごはんを食べた記憶はない。
食欲がないと、いつも断っていた気がする。
あまりにもそれが続くから、『朝ごはん、いらないの?』と聞かれ、俺はそれに『うん』と答えていた。

コトリ、とテーブルに皿が置かれる。
目玉焼き、ソーセージ、サラダ、スープ。
定番の朝ごはん。

「こんな簡単なのですまねぇな・・・。あ、パンと飯、どっちがいい?」
「う〜ん・・・ご飯」
「わかった。じゃ、持ってくる」

キッチンに、政宗が戻って行った。
カチャカチャと音がして、茶碗にご飯を注ぐ政宗の姿が、仕切りの間から見えた。
綺麗・・・。
すごく、綺麗だ。
見ていて飽きない。
人にこんなに夢中になったのも、初めてだ。



例え不毛だと言われても
気持ち悪いと言われても



それでも俺は、君が好き



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