アパートに着いた。
酔っ払ってる俺を佐助が介抱しながら、連れて帰ってくれた。
アパートの目の前。
佐助ともう、さよならしなきゃなんないと思うと、何だか寂しくて。
酔っ払いのフリのまま、佐助を部屋まで引っ張り込んだ。
「あ〜も〜・・・大丈夫?」
部屋に着くと、急激に眠気が襲ってきた。
もしかしたら、いつもは一人ぼっちの部屋に誰かいる、ということに安心したのかもしれない。
何だか、眠くて眠くて仕方ない。
ベッドに俯せに倒れ込むと、佐助が困った様に俺の髪を撫でた。
それがまた気持ち良くて。
まるで猫になったような気分になって、その手に擦り寄った。
暫く佐助は俺を撫でていたけれど、不意に立ち上がる。
もう帰ってしまうのか?
そう思った俺は、佐助の服の裾を握った。
すると佐助は苦笑して。
「お水取って来るだけだよ。グラスは、そこにあるの使っていいよね?」
といいながら、俺の手をやんわりと外した。
帰らないで。
傍にいて。
一緒に、いたい・・・
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