前期と後期の間の短いお休み。
いわば『秋休み』ってやつが終わった。
今回の宿題は、各クラスで適当に割り当てられたテーマにそって作文を書くこと。
こんな短い期間で作文なんてさ、鬼だよ、センセー方。
俺は終わったけどね。
今の時刻は放課後と呼ばれる時間。
何時も一緒に帰る政宗の教室に向かいながら、すっかり寒くなった外を見る。
「よくやるねぇ〜」
外では、サッカー部と野球部、それに陸上部が走りまわっていた。
その中に赤い鉢巻を巻いた旦那を見つけて、「今回は無事に宿題終わったんだ」なんて思った。
旦那はいつも宿題を後回しにするから、休みが終わってからも宿題で居残りをくらう事が多い。
だから、こんな風に休み明けすぐに部活をしている姿を見ることなんて滅多にないのだ。
「がんばれ」
そっと掛けた声は、届くはずなんてない。
別に届かなくてもいいし。
俺はそのまま窓から離れ、自分の教室以上に馴染んでしまった教室に、足を踏み入れた。
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