「食べる?」
佐助が差し出して来たのはポッキー。
チョコレートのかかった方を俺に向けて、笑う。
「珍しいな。お前がチョコレート菓子食ってるなんて」
俺は、佐助がチョコレート系の菓子を食ってるのを見たことがなかった。
元々そんなに菓子も食わない奴だし。
食べるとしても、甘さが控え目な菓子ばっかりだったし。
「・・・まさかさ、知らないの?」
そんな事を考えてた俺に、佐助が言った。
顔は、今度は驚いてる。
・・・知らない?
「what?」
「・・・はぁ、ホント疎いんだから」
「??」
頭の上に、疑問符が浮かぶ。
疎い?
・・・何が?
「今日は、何月何日?」
「今日?11月11日」
「うん。そう」
「・・・・・・・・・だから何だ?」
聞き返すと、佐助がため息を吐いた。
「・・・ホントに知らないの。今日はね、ポッキーの日、なんだよ。クラスでも騒いでる人いたでしょ?」
そういえば。
女子が騒いでいたような気がしないでもない。
ポッキーの日・・・
「何で?」
「ポッキーを縦に四本並べた形でしょ?」
「なるほどな」
くだらねぇ・・・
単にお菓子会社が儲ける為に作った記念日じゃねぇか。
興味ねぇ。
俺はまた、いつも通り弁当を食べはじめた。
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