愛情ならなんでもいい







※政宗がおかしいです



痛みでも、苦しみでも。

暴力でも、罵倒でも。

不器用でも、いいんだ。


俺を愛して、くれるなら。





ドカッとか、バキッとか。

鈍い音を俺の身体が発するのは、いつものこと。

奏でるのは、これもいつも、俺の恋人だ。

冷たい目で俺を見て。
突き刺さる言葉を俺に投げつけて。
容赦ない暴力で、愛情を示す。

それが、俺の恋人。


「ねぇ、何で?俺はこんなに政宗のこと好きなのに。政宗は俺のこと、嫌いな訳?」

胸倉を掴み上げられて、息が詰まる。
目の前には、佐助の凍てつくような瞳があった。

「そ、なこと、ねぇっ・・・」

佐助が嫌いな訳ない。
だって誰にも愛してもらえなかった醜い俺を、こんなにも愛してくれているのだから。

「じゃあ何で?何で他の男と喋るの?視界に入れるの?」

俺達は学生で。
学校には当然、俺達以外にも生徒がいる訳で。
他の人間を視界に入れるな、なんて言われても、当然無理な訳で。
だけど俺は、わざわざそれを言ったりしない。

だってこれは、佐助の『愛情表現』

抱えきれない程の独占欲は、俺を愛してくれている、証。
身体に走る痛みは、佐助の『愛』

「ねぇ、何で?」

冷たく問われて、俺は佐助を抱きしめる。

腕、痛くて力入らねぇや。
ごめんな。


「・・・さ、すけのこと、俺、大好き、だぜ?俺には、佐助しか、いない・・・俺は、佐助のもの、だぜ・・・?」

「・・・・・・」

「俺は、離れたり、しない・・・ずっとずっと、佐助のものだ・・・」

「まさ、むね・・・」


佐助が、涙を流しながら俺の背に手を回した。
「ごめんね」を繰り返す。

いいんだ。
いいんだ、佐助。
俺はわかってる。

これがお前の『アイジョウ』



fin





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