俺はこの男が嫌いです







隣のクラスのorange頭。
ド派手な色の髪が目立つソイツが、俺は嫌いだ。


(・・・なんなんだよっ)

合同体育の時間。
感じるのは、後ろからの遠慮を知らない視線。

犯人はわかってる。

アイツだ。
orange頭だ。

毎回体育が合同の俺達。
自然と覚えるはずの名前を覚えていないのは、それだけ俺がこの授業に出ていない証拠。
あんなド派手な頭した奴なんて、特にすぐ覚えていいはずなのに。

(コイツはなんでこう、毎回毎回っ・・・!!)

しかも、毎回容赦ないビームを浴びせてくる奴なんだし。

いい加減にしてほしい。
何でこんなに見てくる?
俺がなんかしたかよ!?

イライラが段々と積もっていく。
ヤベ、そろそろキレるかも。



「おーい、もう始まってるよー?」

目の前でヒラヒラと手が振られる。

・・・・・・・・・

目の前にorangeが見えるのは気のせい、か?
俺、とうとう左目までおかしくなった?

「おーい、無視しないでよー・・・」

「・・・んだよ」

「いや、もう始まってるから」

周りを見ると、マジだ。
二人一組になってバスケのパスの練習してる。
なぁ、皆組んでるように見えるんだが・・・。

「早くやろ?」

何、俺コイツと組まされた訳?

・・・勘弁してくれよ。

そんな事思いつつも、コイツと組むしかないので仕方なくやったのだった。



「あ、やっぱり気付いてた?」

ヘラヘラ笑いながら、コイツは言った。
何?やっぱり?

「お前・・・」

「だってさ、仕方ないじゃん!
スッゴい美人で頭いいし、運動もバッチリだし!!!俺様惚れちゃったんだよ!!
しかも見てるうちにさ、俺様と同じように中に闇持ってるって、わかったし」

・・・コイツは一体なんだ?ストーカー??

闇?
ああ、心当たりはあるよ。
ありまくりだよ。

けど、隠してたはずなのに・・・

「あ、俺様さ、闇には人一番敏感だから〜。
別に調べまくったとか、そんなストーカーまがいの事なんてしてないよ!!」

・・・やっぱコイツ嫌いだ。
嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ!

大っっ嫌いだ!!!

「似てるよ、アンタと俺」

ヘラヘラした中に本気を含んだ笑い。
どことなく漂いはじめる親近感。


・・・ああ、マジで嫌いだコイツ





fin





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