折角帰ってきたのに






「ただいま〜」


2週間の長期出張から俺が帰ると、部屋は真っ暗だった。

時刻は午後の7時30分。
いくらなんでも大の大人な恋人がこんな時間に寝ているとも思えず、俺はリビングの電気を付けた。

片付けられた部屋の中。
恋人は、いない。


「政宗?」

食卓の上には、ラップがかけられたおかず達。
メモには

『レンジであっためて食え。味噌汁と飯はある』

の文字。

・・・・・・俺はもう一度時計を確認した。
間違いない。
午後7時30分ちょっと過ぎ。

これがね?夜中に帰ってきたときに置かれてるならわかるよ?
だけどこの時間ってね、幼稚園児や小学生が喜んでアニメ見てる時間であり、ソレを見ながら奥様方はお皿洗いしてる時間なのよ。
わかる!?

なのにさぁ・・・。
久々に帰ってきて、折角恋人と楽しいひと時が〜・・・とか思ってた俺にさ?

何この仕打ち。
俺なんか悪い事した?


とにかく寝室。
きっと愛しの想い人は其処に居る。





- 49 -


[*前] | [次#]
ページ:




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -