ただ傍にいる大切さ






「大丈夫?」

今日は朝から政宗が、ぐったりしてた。
熱はないんだけど、怠いらしい。

「今日休む?」

コクリと頷く小さな頭。
それを確認してから、俺は職場に連絡を入れた。

「・・・はい、体調が悪いみたいで・・・はい・・・」

俺と政宗の二人分、お休みの許可を貰う。
普段は真面目に仕事してるから、「たまには休みも必要だ」なんて寛大にOKをくれた上司に感謝。


「政宗〜お休みいいって」

言いながら、彼がいる部屋に戻る。

「ほんとか・・・?」

布団から顔だけ出して、政宗は俺を見上げてくる。

「うん。ほんと」

ベッドに座って出てきた頭を撫でたら、腰に抱き着いてくる。

「どうしたの?疲れちゃった?」

いつも、政宗は無理をする。
結構おっきい会社に入社した俺達は、それなりに人と関わらないといけない訳で。
だけど政宗は、人と関わるのが苦手。
だから、ストレスばっかり溜め込んじゃう。

いつもなら、それは土日にゆっくり休んで回復するんだけど、今週は忙しくて、土日は出張だった政宗。
知らない人だらけの中で、休む暇が無かったのだ。

「今日はゆっくりお休みしようね〜」

そう言いながら佐助は、腰に抱き着いている政宗を撫でた。


それから二人でベッドに潜った。
政宗は佐助にくっついて、佐助は政宗の背中に腕を回した。

「・・・政宗、また痩せたね」

「・・・?そうか?」

うん。
痩せたよ、政宗。
だって、背骨が前より浮き出てる。

「痩せたよ・・・」

なんだか、悲しい。

ねぇ、
君は、どうやったら元気になる?

「政宗さ、無理しなくていいんだよ?」

言ったら、君はふるふると首を振る。

「いい・・・佐助いるから」

そう言って、ギュッて抱き着いてくる。


あぁ、そうか。
欲がない君を元気にする方法は、ただ側にいる事だったんだ。




fin





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