そうだよ、俺は狂ってる







バキィィィッ


殴られた。
屋上で。
思いっきり。
殴られた。

「・・・気持ち悪ぃ事言ってんじゃねぇよ」

突き刺さる、冷ややかな軽蔑。
ただでさえ切れ長で鋭い隻眼は細められ、更に鋭く研ぎ澄まされている。
ああ、綺麗。

「俺もお前も、男同士だぜ?
しかも、ついこの間までは他人だった。いや、今も他人だ」

「そんなの関係ないよ。
俺は、伊達ちゃんに一目惚れしたんだから」

痛む左頬を摩りながら、笑う。
喧嘩が強くて、筆頭なんて呼ばれてる伊達ちゃんの力は、ハンパなものじゃなかった。
流石。
あの細い身体の何処に、こんな力が隠されてるんだろう。

「普通は男に一目惚れなんてしねぇ」

「じゃあ俺様、普通じゃないんだね」

「お前はそうだとしても、俺は普通だ」

「そっか。で、返事は?」

「・・・・・・・殴られてもまだわかんねぇのか」

伊達ちゃんは眉間に深いシワを刻む。
そんな姿も凄く綺麗。

「No。お断りだ。生憎俺は、normalなんでな」

「そっか。
でも、俺諦めないよ。
絶対あんたを落とすから」

「・・・やっぱてめぇは嫌いだ」




いくら嫌いを繰り返されても、俺は君が好き。
いつか絶対。
手に入れる。





fin





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