いつからか







クリスマスなんて、何時からか祝うことをしなくなった。
多分、年末年始に当たるこの時期は、会社の挨拶回りなどで忙しいからだろう。
始めはケーキだけは買っていた気がする。
だがそれも面倒になって、ここ数年はそんな行事には参加せずに、仕事だった。
もしかしたら、子供の時にもクリスマスだからとパーティーをするわけでもなく、ただ父が早く帰ってきて一緒にいられる日、という認識だったからかもしれない。
今年も例年通り働き詰めした俺は、日付が変わる少し前にマンションに着いた。

子供達はもう、眠っているだろう。
サンタがプレゼントを運んでくるのを楽しみに待ちながら。

「Merry Christmas・・・か」

鍵を開け、部屋に入る。
真っ暗で静まりかえった室内を見ると、思い出してしまう。
ずっと昔。
確かまだ、小学校の低学年だった時の話だ。
一人で家にいた所に突然現れ、プレゼントをくれた、変わったサンタ。
白い髭も、でっぷりと出た腹もない、綺麗なオレンジ色の髪のサンタ。
一人で寂しがってた幼い俺の所に来て、眠るまで一緒にいてくれた。

「佐助、Merry Christmas。
今年も仕事、頑張ってな」





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