佐助さんは黒いです





「・・・っ!?」


弁当を開け、箸で挟んだ卵焼きを口に入れようと口を開いた時だった。

佐助が、俺の口にポッキーを突っ込んだ。

そしてそのまま俺とは反対側を自分で口にくわえ、俺の唇のギリギリまで食ったのだ。


「・・・・・・////////」

「わ、真っ赤だ〜!!初だな〜」

「あ、あのなぁっ!!!だ、誰か来たらどうす・・・」

「大丈夫、誰も来ないよ。それよりさ、政宗・・・」

「・・・んだよ」

「ポッキー、食べようよ。折角だしさ!」


佐助が俺の手から箸を取り上げた。


「何すんだよ!!!」

「ねぇ、食べよ?」





佐助にせがまれて、渋々弁当を片付ける。

・・・どうしてくれんだよ。折角作ったのに・・・。
っつーか菓子が昼飯とか・・・。

俺がそんな事を思っているとは露ほども知らずに、佐助は満面の笑みで俺にポッキーを差し出す。
俺はそれを受け取ろうとした、のだけれど。


「違う違うっ!!!手じゃなくて口で!!!」

「はぁっ!?なんで俺がお前と『はい、あ〜ん』なんてしなくちゃなんねぇんだよ!?」


信じらんねぇっ!!!
何で俺がっ!!!


「え〜っ、口で取ってよ〜。ポッキーゲームしよーよー!!」

「?ポッキーゲーム?」

「そ。ポッキーゲーム」


佐助がニヤリと黒く笑ったのに、俺は気が付かなかった。





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