突然現れた銀髪の






出会ったのは戦場だった。

「随分と手間取ってるみたいじゃねぇの」

「加勢するぜ」

そう言ってソイツは、突然戦場に現れた。

「あれは・・・?」

突然の加勢に兵士達はみんな驚いていたが、人数が増えた事もあり、戦況は圧倒的に有利になっていた。




「Thank you、助かった」

「いいって事よ!」

戦が終わった後、加勢に来た軍の大将らしき男と話した。

「俺等はよぉ、奥州に向かってたんだ。
で、途中であんた等がやり合ってんのが見えたからよ」

「加勢したのか・・・」

「おう!!!」

まぁ、戦については助かったからいいが・・・。

「お前ぇ、奥州には何しに行くんだ?」

取り敢えず、何をしに行くのか、こいつが誰なのか、それが解るまでは国主である事は伏せておいたほうがいいだろう。

「ん?ああ、ちょっと・・・な」

「なら、あんたは誰だ?」

「俺か?俺は、西海の鬼・・・」

それでコイツの正体がわかった。

「長曾我部・・・元親・・・」

長曾我部 元親。
四国の地を平定した、鬼。

そんな奴が、奥州に一体何の用なのか?

「お前ぇさんは何者なんだ?」

これは・・・名乗るべきなのだろうか?

小十郎が、隣で刀に手を掛けたのがわかった。

「俺は、伊達 政宗だ」

その瞬間、男の目が大きく開いたのがわかった。

「・・・マジで?」

「Off course」

相手も、名前でわかったようだ。
固まっている。

「奥州の国主は俺だ!
で、一体何の用だ?」

すると、見開いていた隻眼が、笑った。

「お前ぇさんが奥州の独眼竜だったのか!!
なら、話は早ぇ」

どうやら、戦を仕掛けに来たのでは無いようだ。
では、一体・・・?

「独眼竜、この西海の鬼と同盟結ぶ気はねぇかい?」

言って相手は、書状を渡してきた。
四国と同盟・・・。
確かに、今同盟を結べば、かなりの強みになるだろう。
自分は東で、相手は西。
敵を東西から挟む形になる。
Meritにはなるだろうが・・・。
「小十郎・・・」

隣に立っている小十郎を見上げる。

「同盟を結べば、各地の敵を東西で挟む形にもなりますし、九州にも目が配れましょう。
こちらにとっても有益かと」

頷く。
小十郎の言う通りだ。

「取り敢えず、一旦米沢に戻りたい。
来てくれるか?」

「いいぜ!!行くぞ、お前ぇ等!!!」

「「へいっ!!アニキーっ!!!」」

生きがいいのが揃った軍だ。
うちの奴等と合いそうだ、なんて思ったら、何だか笑えた。





「じゃ、同盟成立だな!!」

「よろしく頼むぜ、西海の鬼!」

それから米沢に戻り、同盟は成立。
東と西が手を結んだ。

「なぁ、後で一緒に飲まねぇか?」

話によると、ずっと海の上にいたと言う。
俺は船なんて乗った事無いから、話を聞いてみたい。

「いいぜ!!」

笑う鬼の顔が、なんだか眩しかった。

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