それでも君は言わない






ピクッって、政宗の肩が震えた。

「ねぇ?起きてよ・・・」

甘く言ってやれば、コレが最後。

「・・・佐助、お帰り」

ほら、寝たふりだった。

「うん。ただいま。寂しかったの?」

目元も赤いし、目自体も真っ赤。

泣いてたんでしょ。
そうでしょ?

「・・・寂しくなんか、なかった」

フイ、と顔を逸らす。
・・・素直じゃないなぁ・・・。

「じゃあ、何で泣いてたの?」

「泣いてねぇっ!!」

いっつもそう。
政宗はこうやって、強がる。
言えばいいのにって、思うんだけど・・・。


「そっか」


だけど俺も、無理矢理言わせたりはしないから。
素直になれない恋人に、それでも惹かれてるから。

「俺は、政宗に会えなくて寂しかった。だから、会えてよかった」

ぎゅって、きつく抱きしめる。
だって

「・・・そうかよ」

そう言いながらも俺のワイシャツ掴んでるその手が、君の気持ち。




fin





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