ピクッって、政宗の肩が震えた。
「ねぇ?起きてよ・・・」
甘く言ってやれば、コレが最後。
「・・・佐助、お帰り」
ほら、寝たふりだった。
「うん。ただいま。寂しかったの?」
目元も赤いし、目自体も真っ赤。
泣いてたんでしょ。
そうでしょ?
「・・・寂しくなんか、なかった」
フイ、と顔を逸らす。
・・・素直じゃないなぁ・・・。
「じゃあ、何で泣いてたの?」
「泣いてねぇっ!!」
いっつもそう。
政宗はこうやって、強がる。
言えばいいのにって、思うんだけど・・・。
「そっか」
だけど俺も、無理矢理言わせたりはしないから。
素直になれない恋人に、それでも惹かれてるから。
「俺は、政宗に会えなくて寂しかった。だから、会えてよかった」
ぎゅって、きつく抱きしめる。
だって
「・・・そうかよ」
そう言いながらも俺のワイシャツ掴んでるその手が、君の気持ち。
fin
- 51 -
[*前] | [次#]
ページ: