君が泣いた






「好きだったら、迷惑掛けてよ」

「え・・・?」

「迷惑なんかじゃないんだから!!
政宗なんか勘違いしてる。政宗だけが好きだった訳じゃない!!俺だって・・・好きだったんだからっ!!!!」


「だから、迷惑かけてよかったんだよ・・・」



俺達が別れを決意したのはきっと。

周りの目を気にしたのもあったけど、
結局は相手の愛を感じられなかったから。

政宗も俺も、愛なんてものは知らない。

俺には親が始めからいなくて。
政宗は、家族に捨てられて。

互いに別の場所で育ったけれど。
辿った道は、同じだったのかもしれない。

だから、惹かれて。
だけど、相手の気持ちに気付けなくて。
愛してるのは自分だけなんじゃないかって、勘違いして・・・。



「ねぇ、政宗」

「・・・何だ・・・?」

「好き、だよ。大好き・・・」

俺の言葉に驚いた政宗の隻眼が、大きく見開く。
だけどすぐに薄く笑って

「・・・me too」

そう、返してくれた。



笑った君の左目から、一筋の滴が、伝っていた。



fin





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