別れてから知った、君の闇






それから数ヶ月後だった。

「え?猿飛君知らなかったの?」

「一組の、隻眼の子でしょ?ずっと前からだよ?」

「嘘・・・でしょ・・・?」

初めて知った。
ずっと一緒にいたのに、気付かなかった。

「政宗!!!」

教室にも、廊下にも。
図書室にも、保健室にも。
君の姿は無かった。

ずっと一緒にいた。
一緒に、笑い合ってた。
だけど俺・・・政宗のこと、何にも知らなかった。

ソレを今日、初めて知った。



「政宗・・・」

やっと見つけたのは、誰も来ない旧校舎の体育館倉庫。
寒くて暗いその部屋の隅っこで、政宗は体育座りで震えてた。

「政宗・・・?」

「さ・・・すけ・・・?」

顔を上げた政宗は、自嘲気味に笑う。

「・・・どうしたんだ?」

どうしたって言われても、俺には答える言葉が見つからなかった。
聞いても答えない俺の代わりに、政宗が言葉を続ける。

「・・・お前には、知られたくなかったのにな」

「どうして・・・?ずっと」

「好き・・・だったから」

「え?」

「好きだったから。迷惑・・・掛けたくなかった」

俺はソレを聞いて、思わず政宗を抱きしめた。
しばらく触れていなかった身体は、前に触れた時よりも格段に細くなっていた。





- 64 -


[*前] | [次#]
ページ:




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -