強いわけじゃない






「・・・別に」

君はいつも、その一言で片付けるね。

「偉いよ」

だけどさ、たまには誰かに縋りなよ。
泣いて、縋って

『助けて』『辛い』って

叫んでいいんだ。
強がらなくたって、君は十分強いんだから。

「伊達ちゃんは偉いよ。強いよ。だけど、あんまり溜め込んでたら、壊れちゃうよ?」

「・・・それでいい」


君は、自分が嫌い。

自分を虐めてる奴より。
君を傷つける奴より。
この世界の何よりも。

君は、君自身が大嫌い。

「良くないよ・・・」

そんなの、良くない。

「良くない。ちっとも良くない!!伊達ちゃんが壊れるなんて、そんなの・・・ちっとも良くなんてない!!!」

良くないよ。

だってさ。
そんな伊達ちゃんを好きな人だっている。
ちゃんと、居るんだから。

「俺、伊達ちゃんのこと、好きだよ?だから、壊れてほしくなんてない・・・」







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