恋人は恋人でした






「政宗」

「n?あ、佐助・・・」


昼休みの屋上はスカスカで、俺と政宗しかいない。


「ねぇ、なんで先行っちゃうのさ?いつもは一緒なのに・・・」

「sorry・・・俺も一緒に来たかったんだけど・・・ゆっくりしてたら、また捕まっちまうから・・・」


政宗はモテる。

そりゃそうだよね。
顔はホントに文句なし、スタイルもいいし、頭だっていい。
女子がほっとく訳無い。
それはわかってる。

だけど・・・


「あ、そうだ」


政宗が、何やらポケットをゴソゴソやりだす。
で、目的の物見つけたみたい。


「佐助」

「何?」

「Happy valentine」


渡されたのは、綺麗にラッピングされた、小さな包み。
これって・・・


「開けてもいい?」


言ったら政宗、明らかに赤くなった。


「て、手作りだから・・・見た目とか、味とかも・・・保障はできない・・・けど・・・」


包みから出てきたのは、可愛いチョコレート。
小さなチョコレートが5個、綺麗に詰まってる。
お店に売ってるのみたいな出来栄えだ。
凄い美味しそう。


「ありがと、政宗。手作りなんて、俺様感激」


頑張って作ってくれたの、わかるよ。
気持ちがいっぱい、詰まってる。


「ありがとう、政宗」


コクリと小さく頷く君は、耳まで真っ赤。


そうだよね。
君の想い人は、俺一人だもんね。

俯いちゃった君を、抱きしめる。


「顔上げて?」

「?」


不思議そうな目で俺を見上げた君に、甘いキス。


ハッピー バレンタイン、政宗。
ホワイトデー、期待しててよ。

サイコーのお返し、するからね。



fin




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