また会えるなんて思わなかった






「メリークリスマス。今年の仕事はもう、終わったよ」

突然聞こえた、返事。
あの時のままの声。

「久しぶり。政宗。
クリスマスは、またお一人?」

振り返ると、あの日と同じ姿をした、佐助がいた。

「さ、すけ・・・」

「大きくなったね・・・。政宗」

「なん、で・・・」

「言ったでしょ?政宗の願いを叶えたいって」

「でもよ、サンタは子供の所にしか・・・」

「普通はね。だけど俺、政宗の所に来たかったんだ。
約束したでしょ?
政宗の願いを叶えるって」

そう言って笑う姿も、昔のままだ。
だけど、俺は大人になった。
昔のように寂しいとかは、あまり感じなくなった。
願い、もいつの間にか考えなくなった。

「なんでも叶えてあげる。俺が、叶えてあげる」

「佐助・・・」

あの日のように佐助は、大人になった俺を抱きしめた。





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