一緒にいて






「なぁ、お前・・・名前は?」

「え?名前?」

「うん」

「俺の名前は、佐助、だよ」

「さすけ・・・」

「うん」

佐助は、笑った。
そして俺の頭を撫でた。

「願いは、決まった?」

願い・・・。
なんだろう。
俺は、何を望んでるんだろう。
一番は、母さんに帰って来て欲しい。
だけど、物で人の心を変えたくない。
俺の、願い・・・。

「じゃあ、さ」

「なぁに?」

「・・・傍にいて」

「え?」

「俺が寝るまででいい。傍にいて」

それが、今の俺の願いだから。
言うと、佐助は驚いたような表情をした後、本当にそれでいいのかと、聞いてきた。
俺は、頷く。
いいんだ。これで。

「・・・わかったよ」

佐助は小瓶を再びポケットに仕舞い、俺を抱きしめた。
暖かい体温が、嬉しかった。



次の日。
枕元のプレゼントに喜ぶ俺を見て、父さんが笑っていた。









- 19 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -