「ごちそうさまでした」






「ごちそうさまでした」

「ごちそうさまッス!!」

テツと黄瀬がパチンと両手を合わせて、飯を終了させる。


火神が慣れた手つきで皿を片付けだし、テツはそれを手伝っている。

俺はと言うとさっさと食い終えてソファに座って、何をするでもなくリモコンをいじっていた。その隣に黄瀬が座ってきて、

「俺今度火神っちに料理教えて貰うッス」

と笑顔で告げるから、少々面食らった。何コイツ可愛い。

火神にはテツがいるし、浮気の心配はないだろうから。

黄瀬の能力をもってしたならば簡単だろう。暴走する内情を押し込めて至っていつも通りに、

「へーへー、楽しみにしてる」

ぐしゃぐしゃに頭を掻き回してやった。

もー、なんて言う黄瀬は本当に…うん、あれだ、あざとい。

考えていれば途端家の中に響くチャイムの音。

泡の着いた皿を持ったまま受けた火神…主夫かお前は。

その人物を知るや否やテツは玄関へ迎えに行った。

誰が来たんだ、一体。

黄瀬を見るとにんまり、先ほどの笑顔ではなく質の悪そうな笑みを浮かべてやがったからとりあえず軽く頬を引っ張っておいてやった。







「ごちそうさまでした」
(パチン。両手を合わせて感謝を込めた)