キャリーバックの中身






「にしても、だ。随分なご挨拶じゃないか、大輝」

後光を背負って来訪者…キセキの世代キャプテン、赤司誠十郎が笑った。

それを見た青峰っちと火神っちはガタガタ抱き合って震えている。

一体、さっきの一瞬で何したんスか…。

「赤司っちー、お久しぶりッス」

話を変えるように、と言うか至らないまでもせめても手をさしのべるつもりで赤司に話を振ると、俺の意図に気付いているのかどうかは分からないが、他のキセキが次々にしゃべりかけた。

はぁーっ。

ひとまず、セーフっスかね…。そう胸をなで下ろし先ほどの2人を見ればくたりと床に倒れ伏していた。

─威圧感はやはり圧倒的だったらしい。

苦笑してみんなに囲まれる赤司っちを見ると、こちらに気がついたようで振り向いてさっきとは全く違う笑みを浮かべると、キャリーバックを開けた。

「うわー」

真っ先に感嘆の声を上げたのは紫原っちで、その手には既に八つ橋。

生と、ふつうのと様々なフレーバーのと、箱が紫原っちのてに積み上げられていく。

「これは敦にお土産…氷室さんと分けるんだよ、あとこれは真太郎がいつもお世話になっているようだから、高尾に」

「新w撰ww組wの羽織wwりwwwwっうぇっw…」

あまりのチョイスに高尾っち過呼吸気味だし。

「真太郎にはこれな」

「…ありがたくいただいておくのだよ」

そのカツラ、もしかして高尾っちとセットって意味っスか。
あ、ヤバいますます赤司っちから青峰っちへのプレゼントが予想がつかなくなった。

元々予期せぬことで、黄瀬も知らなかったが彼ならどこかやりそうな気もしていたし、このどよどよした中でも冷静を保っていられたのだが。

中学時代から変わらぬ性格や見た目と趣味のギャップに、唯一の砦がいとも簡単に壊されそうになっていた。





キャリーバックの中身は
(まるで四次元ポケ●トのような)