節電のため







6人にまで増えれば、全員現役のバスケ選手だからリビングも手狭になる。

「暑ィ〜」

なんて言いながら扇風機からの風を受けているのは俺と火神。節電やなにやらでクーラーつけんなって言われたからな。

人口密度とかはもとより、なにより平均身長が高すぎる。

さっき高尾が心底げんなりした顔で、

「今のこの家の平均身長185だぜ…有り得ねー」

と暗算をやってのけた後にソファに倒れ伏していた。確かに、横幅は大して無いにしろ高さがあるとかさばるもんなー。

辺りを見渡して思った。

高尾はソファに埋まっていて、その向かいに緑間が座っている。

俺とその横に火神。
んで、テレビの前に黄瀬とテツがいる。

あー、暑ィ。

何回言ったって変わる訳じゃねぇけどごろり、床に寝転がって天井を仰げば右側で、黄瀬が立ち上がる気配がした。

「俺、コンビニ行ってアイス買ってくるッス!!」

「なら僕も」

「俺もついて行くわ」

青峰っちの誕生日くらい、快適に過ごして欲しいッスもん。

もんとか言うなもんとか。え、てか

「何、お前ら俺ら3人残すの?」

火神、俺今全く同じこと言おうとしてた。それだ、それ。

「真ちゃん、大人しくしておくのだよ?」

「真似をするな高尾!!!」

「火神くん、信じてますよ」

「はぁ!?……分かった」

「青峰っち、」

「分かった分かった、行ってこい」

何か反論しようとした火神はテツの視線で口を閉じるし、緑間もこの様子からして何もやる気は無いだろう。

もういっそ寝てしまおうか、そう考えた俺はひらひら手を振って3人を送り出した。





節電のため
扇風機で我慢して?

(そう言われたって、暑いもんは暑いんだよ…)