白黒はっきりつけんぞ






食べ終わって、火神とテツと高尾が後片付けを終わらせて、特にやることもないといった午後。

…じゃなくて、

「なんで紫原と氷室サン?がいんの」

その発言に渦中の2人以外が今更かよ!!と突っ込んで。それを見て氷室がニコニコと笑みを浮かべている。……なんか怖ぇし。

「敦」

「んー」

紫原に手渡されたもの。怪訝そうな顔で相手を見ればこう返された。

「峰ちん誕生日おめでとー」

「え?…あぁ、サンキュ」

てかこんだけの為に秋田から来たのかとか思うところは色々あったけれど、取り敢えずと感謝の念を伝え包装紙を破きにかかる。

かなりデカいそれの中身が早く知りたくて。

「…ポ●キー?」

横から覗き込んだ黄瀬が尋ねる。それに紫原は満足そうに頷くと、

「峰ちん何が欲しいか分かんなかったしー。室ちんにアドバイス貰ったー」

「自分が貰って嬉しいもの、って言ったんだ」

通常の10倍サイズのそれ。つってもすぐ無くなんな。

そんなことを思っていたら不意に渡された紙袋。

「あ?」

受け取って、渡し主を見ると氷室は相変わらず笑みを浮かべていた。
「敦のが食べ物になっちゃったからね…って言ってもこれも消耗品か。とりあえず、おめでとう」

「どーも」

袋の中には箱があって、それを開けると。

「バッシュ?」

「あぁ。アメリカ限定のモデルなんだ」

いや、うん。高校生の身では中々アメリカなんかへは行けないし、限定モデルなんてのも心踊るんだけど。

「Poisonous frog model…毒蛙モデルなのだよ」

これまたヒョイと俺の手元を覗き込んだ緑間が言う。

…いや、俺も読めたって。modelだけ。

じゃなくて

「毒蛙!?」

白と黒のまだら模様を描く見るからに毒々しいそれ。

「良かったら使って」

─なんか氷室サンの笑顔に赤司と通じるもんを感じんだけど。




白黒はっきりつけんぞ
(火神曰わく"タツヤの趣味は怖い")