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彼の、広い背はずっと前…出会った時からの俺の憧れだったから。
いつか、いつの日にかその隣にって。そう、思い続けてたんだ。
* * *
青峰っちがバスケに対して不真面目になり始めた時、俺はただ単に憤った。
あれだけの才能を持ちながら、なぜ手を抜いて挑むのかと。
そのときには既に付き合っていたから放課後、彼を家に呼んでそう聞いた。
なんで、と溢れる疑問や思いは暴走して涙となって流れ出て。
泣き喚きながら、彼の胸を叩いたのを覚えてる。
その時はただただ必死で青峰っちの顔なんてよく見えなかったかけど、今となって思い返せば眉間にしわを寄せて不機嫌そう…だけどもどこか哀しい表情だった気がする。
その後ピタリと彼は部活に出るのを辞めた。
更に三年の夏になって引退してからはもっと疎遠になってしまって。
別れては無かったけれど、付き合ってるとも言えない…そんな、微妙な状況だった。
* * *
それが今年の夏、運命的にIHの予選で再会して。ボロボロに負けた。
いや、ボロボロと言うには語弊があるかも知れないけれど。
惨敗…?
惜敗…?
まぁ、なんにせよ負けたって事実だけはある。
そこから何があれだったのかまた連絡を取り合うようになった。
それが、8月の話。
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