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※青黄前提の笠+黄




「そういやさ、お前なんで青峰と同じとこ行かなかったんだ?」


それは、とある部活終わりのこと。着替えていたら、不意に笠松から問われた。

彼には話しておくべきなのだろうか。憧れていた、ということは以前告げたことがあるから恐らくそれを踏まえてのこの質問の答えを。


「あー…」

とりあえず、帰りでいいッスか?

そこで一旦切り、言うべき事を纏める。

何かを察してくれたのか少し微妙な表情を浮かべた笠松はそれでも

「いいけど」

と言ってくれた。




* * * *



「ほら、行くぞ」

ドスっと鞄で背中をど突かれ、弄っていた音楽プレイヤーから視線をそっちに移す。

体育館の鍵を返しに行った笠松を待っていたのだが、もう終わったらしい。

イヤホンを耳から引き抜き乱雑に本体に巻き付けると、そのままポケットへ突っ込んで歩き出した。


「さっきの質問なんスけど」


そう自分から振ると、あれだったら良いぞ。と言われ、大丈夫ッス。苦笑した。

普段はとことん厳しい癖に、人の心情に敏感で時に見せるこんな所は優し過ぎる。

冗談で好きになってもいいッスか、センパイ。なんて最後にハートが付きそうな仕事笑顔で言うと、容赦ない蹴りが膝裏に入ったのでしばらくの間普通に歩けなかった。











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